ライブレポート

2013.5.1

12012@SHIBUYA O-WEST

12012 10th Anniversary ONEMAN「DEICIDA OF SILENCE」

 

 12012

 

この日、10周年という大きな節目を迎えた12012。ライブに冠したタイトルは、先日リリースされたばかりのミニアルバムと同名の「DEICIDA OF SILENCE」。その作品内に凝縮されたバンドコンセプトである“狂気”を、彼らはこの日、はっきりと具現化し、体現して見せた。

 

激しく明滅する光の中、メンバーが姿を現すと、会場には得も言われぬ高揚と緊張感が満ち、思わず息をのむ。

この日の彼らのステージは、ミニアルバム『DEICIDA OF SILENCE』に収められた「身千切りの莟、奇しくも恍惚の桜」で幕を開けた。愁いを帯びた美しいピアノの音色と宮脇渉(Vo)の歌声が絡み合い、底知れない世界を描き出す。

と、その余韻を振り払うかのようなシャウトと共に「CHABOO-CHABOO」へ。その強烈な爆音で会場を揺らす。かと思えば、続く「罠」「swallow」では、ぞくりとするような色気を纏って見せる。「with shallow」で酒井洋明の浮遊感のあるギターが重厚かつメロディアスな楽曲を印象的に彩ると、宮脇はまるで何かを追い求めるように手を、視線を、虚空に漂わせた。

 

ふいに、一筋のスポットライトがドラムの川内亨の姿を照らし出す。この日のセットリストに組み込まれていた彼のドラムソロ。そこで彼が見せた渾身のプレイは、バンドの屋台骨としての彼の力を再認識させるもので、最後の1打を打ち終えた瞬間、客席からは惜しみない賛辞の拍手が贈られた。

 

このドラムソロを境に、勢いは急加速する。「MADMAN」「DECIDA OF SILENCE」「「6」party-reprise-」…あまりに強力なラインナップの中、宮脇の咆哮が、そして圧倒的な力強さの塩谷朋之のベースが響き渡り、客席を煽る。客席からも負けじと、力強いハンドクラップ、Oiコールが沸き起こり、会場のヴォルテージは最高潮に。壮絶と言っても過言ではないステージングで、本編終了までを駆け抜けた。

 

アンコール1曲目、奏でられたのは「ABUSE」。緋色の光の中、いきなりのトップスピードでスタートした。

この日初となるMCでは、10年という時間について笑顔で語りながらも、「おしゃべりが下手なバンドなので曲の中でみんなに伝えていきたいと思います」(宮脇)という言葉と共に「As」を披露。シンガロングで会場が一つになる様を目の当たりにした。

 

この日、予定にはなかったトリプルアンコールまで完遂した彼ら。10周年という特別な日を強烈に彩った。

 

ここで、この記念すべき日のオープニングを飾った、12012の完全コピーバンド「凶器所持」について触れておきたい。サポートギターにso-pai-tsaiを迎え、あの白いマスクをつけた5人が登場すると、満場の客席は一気にヒートアップ!

 

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前日、ギターのJohnがTwitterで「アシタハ5キョクヒロウシマス。」と予告した通り、この日は「THE WORLD」「shooting star」「Heart」「breaking the modern society」「MERRY GO WORLD」という名曲5曲の実にハイクオリティなコピーを披露。アメリカ出身というだけあって、訛りとエッジの効いたMCを炸裂させては笑いを誘った。ラストはジ●リの「さんぽ」が流れる中、繋いだ手を高々と上げ、ハッピーな時間を締めくくったのだった。

 

MCでは10年を振り返り「苦労しかない」と語った12012だったが、終演後に川内亨が口にした「うちは10年たっても変わらないなと。今日は気負わずできてすごく楽しかった」という言葉が全てを物語っていたように思う。

10年という時間に裏打ちされた彼らのアクト、記憶に残る一夜だった。

 

◆セットリスト◆

凶器所持

1.THE WORLD
2.shooting star
3.Heart
4.breaking the modern society
5.MERRY GO WORLD

12012
1.身千切りの莟、奇しくも恍惚の桜
2.CHABOO-CHABOO
3.罠
4.swallow
5.夢喰い
6.With shallow
7.gallows
~Dr.Solo~
8.MADMAN
9.DEICIDA OF SILENCE
10.「6」party-reprise-
11.SUICIDE
12.Newspaper

 

EN1

1.ABUSE

2.DOOR TO THE SKY

3.As

 

EN2

1.CUNNING KILLER

2.HYDE & SEEK

 

EN3

1.僕ノ殻カラ

 

(文・後藤るつ子)