ライブレポート

2013.3.31

ムック@NHKホール

「MUCC Tour 2013 “Shangri-La”」

 

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2012年に結成15周年を迎え、6月9日(ムックの日)に自身最大規模となる幕張メッセでのアニヴァーサリー・ライヴを敢行、1万2000人のファンを前に4時間に及ぶ熱演を繰り広げたムック。12月からは2年ぶりにリリースした最新アルバム『シャングリラ』を引っさげて、全国ツアー「MUCC Tour 2012 “Shangri-La”」~「MUCC Tour 2013 “Shangri-La”」を行っていた彼らが、その有終の美を3月30日、31日のNHKホール公演で鮮やかに飾った。

 

極彩色のレーザー照明が眩く交錯する中、割れんばかりの大歓声に迎えられてメンバーが登場し、『シャングリラ』と同じ「Mr. Liar」でライヴがスタート。客席には冒頭からヘッドバンギングとジャンプの嵐が巻き起こり、3曲目「G.G.」では怒涛のような大合唱で会場が完全にひとつになった。3階席までぎっしりのファンを、初日は氷室京介に敬意を表してか「ライヴハウスNHKホールへ、ようこそ!」と迎えたヴォーカルの逹瑯は、2日目には「ツアー最終日。燃えかすになります!」と完全燃焼を誓った。

 

『シャングリラ』というアルバムは、ムックというバンドのイメージの固定化や安易なカテゴライズを無意味にする、進化と深化を極めた一作だと思う。メタルやハードコア、パンクといったヘヴィ&ラウドなロックから、キャバレー風味のジャジーな曲、軽快かつ明快なポップ・チューン、壮大でドラマティックなバラード、さらには大胆にエレクトロ/ダンス・ミュージックを導入したナンバーまで、楽曲群の振れ幅の大きさは驚異的だ。

 

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今回のツアーのセットリストは、シークレット・トラックも含む『シャングリラ』の全曲に、過去作の代表曲を日替わりで数曲加えた内容なので、その振れ幅の大きさがバンドの卓越した演奏能力と相まって、いっそう浮き彫りになっている。実際に眼前で観ていても、たとえばデス・ヴォイスの咆哮が炸裂する「MAD YACK」と、NHKホールが巨大なダンス・フロアと化した「アルカディア featuring DAISHI DANCE」、往年の歌謡曲のようなロマンを醸す「夜空のクレパス」、ほのぼのとしたイラストを背にハンドクラップに乗せて歌った「Marry You」(2日目には逹瑯が客席へブーケ・トス!)などのパフォーマンスが、同じバンドのものだという事実がちょっと信じがたかった。

 

ツアー先でたまたま点けたテレビで、ドキュメンタリー風の感動的な番組をやっているなと思ったら、実は青汁のCMだったという逹瑯のエピソードなど、爆笑のMCコーナー(!?)も含む2時間強。まだまだ現在進行形のムックの多彩な音楽性と、ライヴ・バンドとしての高いスキル、そして何よりメンバーの結束の強さとファンとの絆の深さを存分に知らしめる、圧巻のファイナルだった。終演SEとして使われていた、<俺がお前を信じるのと同じくらい、俺を信じてくれ、今夜>と歌われるスマッシング・パンプキンズの名曲「トゥナイト、トゥナイト」が、4人の熱く真摯な想いを最後まで伝えていた。

 

このツアーの模様は、ライヴDVD『MUCC Tour 2012-2013 “Shangri-La”』として今秋リリースされる。さらに10月12日、13日の高松公演を皮切りに、全会場2DAYSずつ7都市を回る全国ツアー「MUCC 2DAYS CIRCUIT 2013 “Hypnos & Thanatos”」の開催も決定。「16年目からのムックに期待していてください」(逹瑯)と語る彼らは、早くもネクスト・ステージを見据えている。

 

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(文・鈴木宏和/写真・緒車寿一)