ライブレポート

2013.3.29

ユナイト@SHIBUYA-AX

『UNiTE. 2013 SPRING ONEMAN TOUR[once live too meaning]』

 

ユナイト

 

3月8日の札幌KRAPS HALLを皮切りに、全国9ヵ所9公演をまわった『UNiTE. 2013 SPRING ONEMAN TOUR[once live too meaning]』が、3月29日、SHIBUYA-AXでファイナルを迎えた。

 

この日は、ツアーのファイナルであったと同時に、結成2周年を迎える節目のライヴとあり、フロアには、いつも以上の“受け入れ体勢”が漂っていた。

 

そう。彼らユナイトは、常に独自の発想で見る側に驚きを与え、“オーディエンスがユナイトを楽しむこと”を第一に考えていることから、ツアーファイナルと結成2年の誕生日という“特別”が重なったこの日が、何ごともなく始まり何ごともなく終わる、普通のライヴにならないであろうことが、彼らを熟知するオーディエンスには想像出来ていたのだろう。

 

19時05分。ファンタジックなSEをバックに、5人がステージに姿を現すと、オーディエンスはいつも以上に大きな歓声で彼らを迎え入れた。

 

各自が定位置に付き、ボーカルの結が肩幅より少し広めに足を置き、マイクスタンドに両手を添え、ゆっくりと俯くと、フロアに一瞬静かな時が流れた。

 

彼らがこの日の1曲目に選んでいたのは「starting over」。2011年にリリースされたアルバム『STARTiNG OVER’S』のオープニングを飾っていたこの曲は、深呼吸するかのように、ありったけの光を吸い込み、そしてそこに、さらに輝きを増した光を吐き出した。始まりの衝動を感じたこの曲から、彼らは「U-smeh-」「BadRequest」と、結成間もない頃に作られた過去曲たちを間髪入れずに届けていった。鮮やかな印象の「starting over」。椎名未緒が描き出す浮遊感あるギターソロと、オーディエンスの力強い拳で埋め尽くされた激しいバンドサウンドの対比が印象的だった「U-smeh-」。4つ打ちのリズムに、手振りを使ったノリの一体感が実に見事であった「BadRequest」。と、そのどれもに、“当たり前で在ろうとしない” ユナイトというバンドの個性を見た気がした。

 

GtLiNBaハク

 

中でも、真っ赤なライトに照らされ、ディープな世界観から幕を開けた「Ms.Fabbit」は、中盤のハクのベースソロ明けからテンポを変え、曲は目まぐるしく景色を変化させていったのだ。

 

この奇想天外な構成こそが、彼らユナイトなのである。

オーディエンスは、拳を上げて力強く応えたかと思えば、マイナーからメジャーコードへと180℃変化する次の瞬間には、強く握りしめた拳を緩め、柔らかなメロに、その手を左右に揺らして応えていた。まるで、奇抜な構成に挑むかの様なフロアのノリは、最前列から最後列までピタリと揃っているのである。

 

まさに。彼らのライヴは、そんな客席のノリも含めたところも計算に入れられた、参加型のエンタテイメントなのである。

 

しかし。時に、真っ直ぐに届ける場面も存在する。

ライヴ中盤に届けられた「epilogue」では、一旦楽器隊がステージから捌けると、完全に同期のみの音で結が唄を届けるといった一幕もあった。ときおり差し込まれるフェイクや抑揚のある歌声は、バンドサウンドに乗った結の歌声とはまた違った印象を与えるモノであり、より結というボーカリストの個性を引き立たせていたのだった。

 

DrゆきみVo結Gt椎名未緒

 

幻想的なSEが再び5人をステージに導き、ライヴは後半戦へと繋がれた。

「もっとハデに行こうぜ! AX!」

そんな結の言葉どおり、後半戦は、前半戦よりも激しさを増して畳み掛けられていった。

 

ハネ感のあるリズミックなドラミングと、重く刻むリズムでボトムを支えたゆきみは、ハクと息の合ったプレイを見せ、異なるギターフレーズの個性が鮮やかに鳴り響いた椎名未緒とLiNのギタープレイは、様々な色調でライヴを塗り替えていった。

「今回のツアーをまわって、改めてライヴという場所が、一番楽しくて、幸せになれる場所だと感じました。本当にツアー中、みんなに感謝する気持ちでいっぱいでした——。最後に、大切なみんなに感謝の気持ちを込めてこの曲を贈ります————」(結)

 

届けられたのは「クオリア」。

彼らから放たれた光は会場内に広がり、オーディエンスを包み込んだ。光を放ちながら、真っ直ぐに先に進もうとする彼らがとてもまぶしかった。

 

彼らはこの日、アンコールでライヴ初披露となる「life time relation」を、ゆきみを鍵盤に、サックスとバイオリンを加えた構成で届け、集まってくれたオーディエンスに“特別”をプレゼントしたのだった。

 

ライヴ終了後。彼らは、6月からの3ヵ月連続コンセプトシングルのリリースと、携帯ファンクラブの開設を発表し、この先も全力で走り続けることを告知した。

 

彼らの目標は、“終わらないバンドになる”こと。

そんな彼らの目標と未来が、ここに集まったオーディエンスと共にあることを、切に願いたい。

 

◆セットリスト◆

01. starting over

02. U-smeh-

03. BadRequest

04. Kud’

05. Ms. Fabbit

06. 可塑性MAGIE

07. Love_Duck_Core_Nothing

08. 約束

09. cinema verite

10. epilogue

11. grow into UNiTE.

12. Meaning

13. アポカリプティックサウンド

14. 鳥籠好餌責務-TORIKAGO like obligation-

15. world wide wish

16. Cocky-discuS

17. AIVIE

18. イオ

19. クオリア

En.

01. life time relation

02. small world order (2013.06.12 リリース新曲)

03. 絶望クリエイター → 失望エミュレイター

04. Eniver

 

 

(文・武市尚子/写真・西槙太一)