ライブレポート

2013.1.13

カメレオ@新宿BLAZE

結成1周年記念ワンマンライヴ「みなさんのおかげでしたっ!」

 

 

カメレオが1月13日(日)新宿BLAZEにてバンド結成1周年記念ワンマンライヴ「みなさんのおかげでしたっ!」を開催した。2012年1月の活動開始後、ヴィジュアル系というシーンに身を置きながらも、先人たちの活動により築かれてきた常識を超え、様々な驚きを1年間与え続けてきた彼ら。その魅力は瞬く間に伝播し、この日もチケットはソールドアウト。前日にOAされたTBS系「CDTV」の特集コーナー「2013年ブレイクしそうなアーティスト」では、10位にラインクインするなど大きな注目を集める中、会場は“今日はどんなことをしてくれるのか”と期待に目を輝かせたファンで身動きが出来ない程埋め尽くされた。

 

そんな熱気に満ちた会場にまず映し出されたのはここまでの1年間を振り返った映像であった。初っ端から少し感動的な空気になったところで、お馴染みのSEでメンバーが登場し、「評論家的ダンスナンバー」「擬似コミュニケーション」「嘘も100回言えば真実」を立て続けに披露。どんなことが起こるのかとファンは思っていたかもしれないが、この後に続く祭りの前にこの1年でバンドがどれだけ成長したのかを報告しているように見えてしかたなかった。それ程に繰り出されるサウンドは、カメレオが持つバンドとして根本にある地力を強く感じさせてくれた。またメンバー・ファンが付けている七色に輝くリングが無数に輝く様はあまりに綺麗で思わずため息をついてしまった人は少なくないだろう。

 

そしてHIKARU.(Vo)の「今日を迎えられたのは本当にみなさんのおかげ」という感謝の言葉が届けられ、突入した次のブロックでついに彼らが擬態を始める。「新宿。」「マジカルドリンク」ではダンサーを引き連れてきたかと思えば、「バカ…バカ…バカ…」では冒頭にドラマティックな展開を入れ込んでから曲をスタートさせる。そしてそういった同じ場所にいる全ての人を驚かせ、楽しませたいという彼らの気持ちが目一杯詰まった“仕掛け”もさることながら、それ以外の楽曲達も含めたそのライヴ構成が素晴らしいと思った。ダンスチューン、ファンが暴れ倒すような激しい楽曲、ミディアムバラードといった耳が飽きないバリエーションで起伏が作り出されたところに、起爆剤のように入り込む仕掛けたち。それは“普通の”パフォーマンスよりも楽曲の世界観をよりリアルにファンに表現してくれる。だからこそ次の曲は何でどんなことをしてくれるのかというワクワク感が常に持続する。ここに集まったファンは彼らが与えてくれるこの高揚感に取りつかれた人たちなのだろうとカメレオが1年という短い時間の中でこれ程の支持を得た理由を体感した瞬間であった。だからこそ彼らのライヴで過ぎる時間はとてつもなく早い。

 

 

ライヴ終盤になり、「検索結果0」「養え、己を」などが届けられたのだが、もはや盛り上がらない訳はない状況の中でふと冷静に歌われている内容を考えてみるとどうだろう。「ネットに頼りすぎていないか?」「周りに流されて自分を見失っていないか?」そんな問題提起は“いつもお祭り騒ぎで楽しい”というイメージが強い、彼らが要所に盛り込んでくるからこそ、説得力が増し、こんなにも考えさせられるのだろうと思った。様々な感情をオーディエンスに残してステージを去ったメンバーだったが、彼らが去った所謂本編とアンコールの間の時間、メンバー1人1人がこの1年の活動と2年目への意気込みを語った映像を放映する。こういった演出をされると本当にこの空間にいる限り、他のことを考える暇がない。カメレオのことで頭がいっぱいになるのだ(これも彼らは計算ずくなのだろうが)。

 

息つく暇もなく始まったアンコールで3月にシングル、5月に初のフルアルバムをリリースすることをアナウンス。極めつけは“カメレオ史上最大の挑戦”と銘打たれた赤坂BLITZでのワンマンライヴの6月開催を発表! ラストは「始まりの歌」で大所帯のダンサー達を引き連れたパフォーマンスでカメレオが1年間の粋を集めて行った珠玉のショーは大円団を迎えた。

 

彼らが2013年どんなことを考え、どんな展開していくのか。私たちがどんな想像をしても、それは軽く超えられてしまう可能性が高い。HIKARU.が高らかに宣言した「ここからが新しい始まり。今年は俺たちがシーンを引っ張っていきます!」という言葉通り、余計なことは考えず、カメレオワールドに一度身を委ねてみては? そんなことをここにいない誰かに伝えたいと強く思った素晴らしいライヴだった。

 

 

 

(写真・江隈麗志)