ライブレポート

2012.6.29

ZIGZO@新宿LOFT

「TOUR THE 2nd SCENE ZIGZO」新宿LOFT DAY1 “DECADE”

 

 

去る3月17日、実に10年ぶりとなる東京・赤坂BLITZでの公演をもって、正式に復活の狼煙を上げたZIGZO。同日に開催が発表された全国ツアー『TOUR THE 2nd SEASON ZIGZO』 も6月16日に仙台で幕を開け、各地で大盛況となるとともに“全公演/全演奏曲配信販売”という斬新かつ大胆な試みが話題を集めてきた。そして同ツアーが、ついに東京・新宿LOFTでの三夜連続公演という着地点を迎えた。

 

その第一夜となった6月29日のライヴは、『DECADE』と銘打たれたもの。各日とも異なったタイトルのもとで趣向の違った演奏が披露されることが、あらかじめメンバーたちの口からも認められていたが、この夜に繰り広げられたのは、常識的に考えれば過剰なくらい数多くの新曲がちりばめられたライヴだった。公演タイトル自体には、このバンドが不在だった10年間を連想させずにおかないところがあるが、これは前述の赤坂BLITZ公演の際に披露された新曲の表題でもある。そして実際、1999年にリリースされたデビュー・アルバム『MONSTER MUSIC』の1曲目に収められていた「Wonderful Day」で幕を開けたライヴは、さまざまな過去を飛び交いつつも、“最新型のZIGZO”というべき未音源化楽曲を随所に配置しながら展開された。

 

楽曲タイトルが最終決定に至っていないものも含まれている模様なので、具体的な表記は避けておくことにするが、全21曲の演奏メニューのなかに含まれていた新曲群は、「DECADE」もカウントすれば全8曲。完全に真新しいそれらの楽曲が感じさせた、ある種の“既聴感”が興味深かった。耳に馴染みのない楽曲たちであるはずなのに、いずれもが愛着深いグルーヴに支配された“完全にZIGZOの曲”だったのだ。しかも同時に、過去の楽曲群にはノスタルジアの匂いがまるで伴っていなかった。それは彼らの音楽が、ひとつ前のディケイドから、すでに“今”に適合していたということの証しでもあるに違いない。

 

 

ZIGZOにとって史上初となったこの新宿LOFTでの三夜公演は、先頃の赤坂BLITZ公演を瞬時にソールドアウトにしている彼らにとっては、ある種、無謀なこととも言えた。が、ステージ上でTETSUも認めていた通り、日本のロックにとっての聖地のひとつともいうべきこの場所に立つこと自体に、彼らなりの意味とコダワリがあったのだろう。そして公演終盤、汗だくの彼が、同じように汗まみれの観衆に報告したのは、「次のライヴが決定したこと」だった。歓喜の声に包まれたフロアに対し、まずは「6月30日、新宿LOFTです」と告げて、笑いを提供。そして次の瞬間、彼の口からは「10月25日、渋谷公会堂」という言葉が発されていた。しかも、ただ単にライヴが行なわれるというわけではない。断定的な言い方ではなかったが、彼が口にしたのは「それまでには新しいアルバムが出ているに違いない」というニュアンスの言葉だった。

 

そうした報告を経て最後の最後に演奏された「DECADE」は、もはやZIGZOの新たな代表曲であるように感じられた。加えて、この4人のこれからのディケイドが過度なくらい充実したものになるはずだということを、僕は確信せずにいられなかった。ZIGZOの“第二幕”は、まだまだ続いていく。新宿LOFTの次に彼らが足を踏み入れる聖地は、渋谷公会堂。そして、その先には果たして……? 予定調和とは無縁であるはずの、結末なきストーリーの行方を、今から楽しみにしていたい。

 

 

(文・増田勇一/写真・平沼久奈)

ZIGZOのその他の記事を読む