ライブレポート

2012.03.10

ギルガメッシュ@SHIBUYA WWW

東京Sadistic〜ぶっとおし13days〜 東京Sadistic day

 

 

とうとうこの日がやってきた。
2月27日からSHIBUYA WWWにて行われていた、ギルガメッシュによる前代未聞の13日間連続公演、その最終日だ。

 

同じライヴハウスでここまで連日ステージに立つとなると、どんな内容を見せてくれるのかが気になるところだが、そこはさすが10月の告知以来練ってきたと言うだけあった。それぞれの日にテーマが設けられ、1枚のアルバムにフィーチャーした“アルバム day”でがっちり聴かせたかと思えば、“ガチンコバトル day”ではSPYAIRとピコという意外な顔ぶれを招いての異種格闘技的ライヴで魅せる。はたまたメンバー4人それぞれがバンドを組んで対バンをしたり、地方ロケにまで赴いたという謎の映像を上映したり…あの手この手でオーディエンスを楽しませようという気合いが伝わってきた。個人的に気になったのはメンバーから観客、スタッフ、果ては関係者まで要コスプレだったという“ライヴハウスをアキバにしよう day”。噂によると、“ゴールデンボンバーの樽美酒研二・某ファーストフード店のドナルド・スティッチによる楽器隊と、シャウトしまくる初音ミク”という世にも珍しい光景が見られたとか…。

 

こうして毎晩渋谷のド真ん中で繰り広げられてきたお祭り騒ぎ。ファイナルのこの日は奇しくもサドの日(3・10)らしいということもあり、そのままズバリ“東京Sadistic day”と銘打たれていたのだが、果たしてどんな光景を目撃することになるのか。

 

みっしりと人が詰まった空間に流れ出したSEと場内放送。ルールを破ったら鉄拳制裁と息巻きつつ「ついて来いよこのヤロー!」とSっ気たっぷりに締めくくられたアナウンスで、観衆に一気に火が点いた。沸き上がるOiコールと突き上げられる拳に迎えられたメンバーも、1曲目からガソリンを投入するが如く「お前に捧げる醜い声」をぶつけてくるというサドっぷり。あっという間にモッシュの波が生まれ、コール&レスポンスががっちり噛み合っていく様からは、まだライヴの序盤とは思えないほどの一体感を感じさせられた。

 

次々と畳み掛けられるキラーチューンに「もしや…」と思っていると、「今日は13日間で一番、サディスティックでマゾヒスティックで、スーパーイケイケなセットリスト! ぶっ倒れるまで暴れてこうぜ!」という左迅(Vo)の言葉——そう、最初から最後までクライマックス状態で駆け抜けるつもりなのだ。

 

歌い、叫びながら客席に向かいマイクを掲げる左迅の姿はさながら煽動者のようで、アツくなったフロアからは一斉に声が上がる。弐(Gt)が長い髪を振り乱して轟々とギターを掻き鳴らせば、愁(Ba)は挑発するような視線を客席に注ぎながら吠えるようにシャウト。Яyo(Dr)はというと、豪快なドラミングの合間にスティックをくるくると回してオーディエンスを煽り、いたずらっぽい笑みを浮かべている。時折アイコンタクトをとりながらプレイする彼らの音が、気持ちのいいポイントに狂い無くハマっていくのを全身で感じつつ、このグルーヴは12日間でブーストされた熱量の賜物なのかもしれないという思いを抱いた。

 

ライヴも終盤に差し掛かり、“楽しくてたまらない!”という空気が会場を満たしている。本編ラストの「evolution」、気付けばメンバー全員が明るくなった客席を見渡しながら演奏をしていた。後方からはファンの顔は見えなかったが、満足げな4人の表情を見ればそこに笑顔が溢れていることは容易に想像できる。にかっと笑った左迅の顔が実に嬉しそうで胸が熱くなった。

 

アンコールでは、「皆が明日からまた強く生きられるように」とギルガメ流轟音応援ソング「Break Down」で最後の最後までやんちゃに暴れ倒しての終幕となった。

 

13日間をトップギアで走り抜けたギルガメッシュ、一体どれだけの人を笑顔にしたのだろう。ここまで突き詰めると、逆にマゾなのでは…という思いも過ったりしたが、やはりそれは違った。「全力で楽しませるから、全力でかかってこい」、自分たちにもファンにもドSな“真のサディスティックバンド”が彼らなのだ。そして、その根底にあるのが愛情だということが、強く伝わってきた夜だった。

 

 

◆セットリスト◆

01. お前に捧げる醜い声

02. アングリージュース

03. CRAZY-FLAG

04. DIRTY STORY

05. 新曲1

06. MISSION CODE

07. GOKU

08. stupid

09. DEAD WORLD

10. 亡者ノ行進

11. 開戦宣言

12. 新曲2

13. bit crash

14. smash!!

15. Never ending story

16. evolution

 

EN Break Down

 

 (文・古原悠 写真・西槙太一)