ライブレポート

 2011.07.23

Acid Black Cherry@富士急ハイランド・コニファーフォレスト
『ABC Dream CUP 2011 FREE LIVE』

 

台風の影響で肌寒かった前日とは打って変わって、この日は見事に晴天。雲があったり、気温がさほど高くなかったりしたものの、逆にこれが真夏の野外ライヴを楽しむには最適な天候だったのかもしれない。

Acid Black Cherryデビュー4周年記念企画「ABC Dream CUP 2011」の一環である今回のフリーライヴ。チケット入手は公式サイトでの抽選だが、ライヴの定員である4万人をはるかに上回る16万通の応募があったそうで、文字通りのプレミアチケットとなり話題を呼んでいた。

会場は、ツアーグッズのフード付きタオルや角のカチューシャをつけたファンの姿で埋め尽くされており、本来なら遊園地であるはずの会場が異様な熱気に包まれていた。

 

ベース音、歓声とクラップの嵐の後は、真夏にも関わらず「冬の幻」という意外な1曲目でライヴはスタート。

MCでは、ファンへの気遣いや感謝の言葉だけでなく、少年のように無邪気な爆笑トーク、放送コードぎりぎりのアブない言葉まで飛び出し、「本当は芸人なのでは!?」と疑ってしまうくらい、まるで話題が尽きない。そして、「少女の祈りⅢ」「罪と罰~神様のアリバイ~」といった激しいナンバーで会場をぐいぐい引っぱっていく。

サポートメンバーの紹介の後は、定番ナンバー「愛してない」で切なげな空気を、そしてファンとの掛け合いが見物の「Bit Stupid」、「チェリーチェリー」でポップな雰囲気に会場全体を変えていく。ABCの“カワイイ”一面で盛り上がった後は、「Re:birth」、「Black Cherry」でもう片方の一面である“激しさ”を見せる。避暑地であるはずの山梨が、激しく狂おしいABCワールドにみるみるうちに染まっていく。だが、それだけではない。本編ラストのデビュー曲「SPRLL MAGIC」は、“原点”は忘れないという冷静さも感じさせてくれる。熱さと冷静さを併せ持ったABCの怖いくらいの妖しさにまたも魅了されることとなった。

 

雰囲気は一変し、アンコールは「この青空の向こうに」、「Maria」(アコースティックVer)。前日の悪天候とは反対に、晴れ渡る空の下で送られたゆったりとしたひと時と、伸びやかな表情でステージを見つめる観客が印象的だった。

「震災後、考えていたものが出来なくなったりして急遽組み直したのがこの東名阪ライヴだった…。いっぱいライヴしようとは思ってたんですけど…」とこれまでの葛藤を吐露したyasu。しかし、「でも、まずは9月にシングルが出るぜ!」とファンを喜ばせると、その勢いに乗って9月21日発売の新曲「ピストル」を披露した。

 

さらにダブルアンコールの「DRAGON CARNIVAL」、そして予定になかった「20+∞ Century Boys」にありったけの感謝を込めたyasu。2時間半に凝縮された想いは、観客に伝わったに違いない。

yasuが感謝の気持ちを込めたという今回のライヴは、Acid Black Cherry4年間の集大成というにふさわしい、新旧のヒットシングルをちりばめた充実のセットリスト。もちろん、サービス精神旺盛なMCも変わらずで、初めて見るファンもABCを満喫できたはず。

「ABC Dream CUP 2011」、次の仕掛けは「ピストル」から始まる5ヶ月連続リリース。その後も色々計画しているとのことだが、一体どんな手で我々を楽しませてくれるのか、今から待ち遠しい。

 

◆セットリスト◆

01.冬の幻

02.楽園

03.少女の祈りⅢ

04.罪と罰~神様のアリバイ~

05.1954LOVE/HATE

06.愛してない

07.Bit Stupid

08.チェリーチェリー

09.cord name【JUSTICE】

10.Re:birth

11.Black Cherry

12.SPELL MAGIC

 

EN01.この青空の向こうに

EN02.Maria(アコースティックVer.)

EN03.ピストル(新曲)

 

EN04.DRAGON CARNIVAL

EN05.20+∞ Century Boys

 

 

(文・竹村千代子)