ライブレポート

2011.06.09

ムック@新木場STUDIO COAST
「Maniac Parade97~11」

 

毎年6月9日は69(ムック)の日ということで、様々な趣向を凝らした企画を行っているムックだが、今年はストレートにライヴで勝負。

公演タイトル「Maniac Parade97~11」は、5月の日本武道館で行われた2days公演「Chemical Parade」と「history GIGS 97~11」を合わせ、さらに“Maniac”をプラスしたもの。また、今年に入ってから日本武道館など大きな会場が多かったので、客席との距離が近いライヴハウスでの公演はファンにとってはとても嬉しいはず。いったい、どんなステージになるのか。

 

オンタイムでスタートしたライヴは、頭から「フォーリングダウン」「チェインリング」「友達が死んだ日」と新旧のキラーチューンを連発。飛び跳ねながら歌うヴォーカルの逹瑯や手加減なしでドラムを叩くSATOちの熱気に、ド派手に点滅する照明と会場全体から漲るファンのパワーが加わり、すでにライヴ中盤のような高揚感。ステージから「今夜を精一杯楽しめ」というメッセージがどんどん流れ出すのがわかる。

 

真っ赤な照明が創り出す、クラブさながらの演出がクールな「ケミカルパレードブルーデイ」、ミヤのギターソロで始まった「オズ」、そして激しくも切なく響き渡る「A.」と、休む間なく畳みかける曲の攻撃に観客も拳やモッシュで熱く応えていた。

 

「新旧織り交ぜたライヴになっております。最後まで楽しんでいってね!」という逹瑯の言葉に導かれ、そのまま「ガーベラ」「誰も居ない家」へ。感情を発散させるかのように体をうねらせながら歌う逹瑯を間近で感じようと、観客も前へ前へと密集していく。

 

「新木場STUDIO COAST、すごい好きなんですよ。新木場で(最新アルバムの)『カルマ』をやったら似合いそう、と自分たちも思いつつ、周りからも散々言われつつ。ようやく出来て、蓋を開けたらこんな感じで。空気感、楽しめていますか?」と客席に問いかける逹瑯。

確かに新旧の人気曲、そして「カルマ」の曲と様々な曲が入り乱れている構成ではあるが、それが絶妙に調和して新しい流れを生み出しているのがとても新鮮。公演タイトルに“Maniac”を冠しているだけあり、曲を追うごとにムックの多彩な面を堪能することができる貴重なひと時だ。

また「ムックの日、さげぽよ?」と逹瑯が茶目っ気混じりに問うと、すかさず客席から「あげぽよ!」のレスポンス。空気が和んだのもつかの間、攻撃的な煽りですかさず「ファズ」のイントロに流れ込む。

会場全体が一つになったことを確信させるかのように、ステージをところ狭しと駆けめぐるメンバーと、曲に溶け込むように自由に体を揺らす観客。ベースのYUKKEも、その一体感を楽しむかのように激しくウッドベースを奏でる。

 

そして本編ラストは「夢死」「前へ」という古くからのファンなら垂涎のナンバーと「咆哮」「リブラ」とここ数年のハードな曲を織り交ぜた選曲で攻め立てる。客席の波打つヘッドバンキングやダイブに負けない勢いのプレイを見せ、本編は幕を下ろした。

 

アンコールでは、「SUMMER SONIC 2011」(8月14日)への出演発表のほか、ミヤから「14年もやってると曲が増えちゃってしょうがない。演奏したい曲がやりきれなかったけど、これからもやる機会がある。14年でこれだから、15周年ではもっとあるね。こういう機会を与えてくれた君たちに感謝」というメッセージで会場が沸く一幕も。来年迎える15周年への期待が大いに膨らむ言葉だ。

そして限られた時間を惜しむかのように「水槽」や「ジレンマ」など4曲を立て続けに熱演。「蘭鋳」ではこの日一番と思われる激しいモッシュやダイブの嵐、そして間奏中の定番のジャンプでも圧巻の景色が創り上げられていた。
ムックの真髄を思い切り堪能できた2時間半。来年の15周年に向け、最高のスタートダッシュとなった一夜であった。

 

 

◆セットリスト◆

01.フォーリングダウン
02.チェインリング
03.友達が死んだ日
04.ケミカルパレードブルーデイ
05.オズ
06.A.
07.五月雨
08.ガーベラ
09.誰も居ない家
10.幻燈賛歌
11.どしゃぶりの勝者
12.アイアムコンピュータ
13.暁闇
14.溺れる魚
15.こもれび
16.ファズ
17.夢死
18.前へ
19.咆哮
20.リブラ

ENCORE
21.水槽
22.ジレンマ
23.蘭鋳
24.フリージア
25.業

 

(文・竹村千代子)