ライブレポート

2011.06.05

12012@新宿BLAZE
8th Anniversary Live「departure」

 

昨年12月12日、ギターの須賀勇介の脱退により、4人体制となった12012。それから半年、その動向に注目が集まっていた彼らがついに動き出した。

 

この日の新宿BLAZEは期待と不安の中で彼らの復活を待ちわびていたファンがフロアを埋め尽くし、轟くSEと共にメンバーが姿を現すと、悲鳴にも似た大歓声が会場を満たした。

 

ライヴに冠されたタイトルは8th Anniversary Live「departure」。“出発”と銘打たれた復活劇の幕開けは「サイクロン」「罠」という無敵のキラーチューン。5人だった頃と遜色ない力強いステージング、そしてそれに拳で応えるオーディエンス。双方待ちわびていたであろうこの瞬間を味わいつくすかのように、実に貪欲にライヴはスタートした。

 

「12012です。今までの曲もガラッと変えてます。でもお前たちならついて来られると思う!」

そんな意味深な言葉の直後に始まった「[6]Party」でその意味を理解することになる。ライヴでこれまでに何度となく耳にしたこの楽曲が、この夜その姿をガラリと変え披露されたのだ。宮脇の伸びやかなヴォーカル、鋭く刻まれるアグレッシヴな酒井のギター、内なる情熱が滲む塩谷のベース、まっすぐに打ち出される川内のドラム。その威力は失われることなく、「vomit」「浸色」といった馴染み深い楽曲たちも、言うなれば“新生12012仕様”へと驚きの変貌を遂げていた。

 

この日彼らが見せた新たなアプローチはこれに留まらない。宮脇がギターを手に「LOVERS」「shower」を切なく歌い上げ、「違う形の表現で届けたい」と酒井のアコースティックギターで「Over….」を、更には抒情に満ちた塩谷のピアノにのせた「スマイルアゲイン」等々、この新たなアプローチで彼らが提示したものは、彼らが見据えているであろう更なる飛躍を感じさせる“これまでとは違う12012”だった。

 

もちろん彼らのライヴの醍醐味とも言える、激しさを剥き出しにしたアッパーチューンも健在だ。

 

「届いてるか? お前たちの半年分の想い、もっと聴かせてくれ!」

そんな宮脇の絶叫と共に繰り広げられる「配られたカードで勝負するしかないのさ、それがどういう意味であれ…」「薄紅と雨」「Heavenly」「As」…枚挙にいとまがないが、荒々しくも緻密なナンバーで魅せたフロアとの一体感はまさに圧巻。今日という日に相応しく、新旧の曲をまんべんなく織り交ぜた贅沢なセットリストで会場を魅了したのだった。

 

様々なサプライズが散りばめられたこの日のライヴ。アンコールに応え、ビブス姿で登場したメンバーの中、なぜか川内はサッカーボールを持参。実はこれ、彼らのオフィシャルブログで決定した宮脇が受ける罰ゲーム。「おネエ言葉でMC」「ステージでリフティング12回を成功させないと次の曲に行かない」というハードルの高さにも負けず「ワタコ・デラックス」としてMCをこなし、華麗なボールさばきを披露…したものの、生憎ステージはサッカーには向かない構造だったらしく、こちらはお詫びの言葉で締めくくられた。

 

そんな“笑い”を見せた後は、空気を一転させ「THE PAIN OF CATASTROPHE」での激しいプレイ、そして、

「自分たちの今を切り抜いた、生まれたての曲です」

初めてファンの耳に届けられた、ストレートなワードを散りばめたメロディアスな1曲。その切ない歌詞も美しいメロディも、これまでの12012を感じさせつつも決してそこに留まらない更なる一歩を感じさせるものだった。

 

5人から4人へ。正直なところ、物理的な面で音の不足を感じる箇所もあった。しかし、それを上回る勢いと柔軟さによって生まれた広がりに、新たな1歩を大きく踏み出した12012を見せつけられたライヴだった。

 

ライヴ終了間際には7月からスタートする夏のライヴツアーを発表。バンド結成8周年を迎えた今夏、全国を駆け抜ける12012の躍進に期待をせずにはいられない。

 

 

◆セットリスト◆

01.サイクロン
02.罠
03.[6]party
04.my room agony
05.vomit
06.浸色
07.LOVERS
08. shower
09.配られたカードで勝負するしかないのさ、それがどういう意味であれ…
10.薄紅と雨
11.Heavenly
12.Over….
13.breaking the modern society
14.crazy the city
15.As

EN01.スマイルアゲイン
EN02.SADNESS
EN03.JUST THE WAY YOU ARE…
EN04.SHINE

EN05.THE PAIN OF CATASTROPHE
EN06.新曲

 

(文・後藤るつ子/写真・Rie Suwaki(MAXPHOTO))