ライブレポート

2011.5.22

ムック@日本武道館
MUCC history GIGS 97~11

 

なんて豪華で、貴重な3時間半だったのだろう。思わず周りの人に言いたくなるくらい、最高の時間だったことをまず最初に伝えたい。そんなムック初となる日本武道館2days。前日は「TOUR “Chemical Parade” FINAL」ツアーの最終日、本日は「MUCC history GIGS 97~11」。14年の歴史を辿るのだから、期待せずにはいられない。そんな思いを胸に夢烏たちが武道館を埋め尽くす。またこの日のスタート時間は15時とワンマンライヴにしては少々早すぎる異例のスタート時間だ。

 

ドラムセットの後ろに電飾の塔が存在感たっぷりに立っているほかは、ステージ後方に4つの巨大ディスプレイのみと昨日と同じステージがどういう表情を見せてくれるのかと考えていると、15:20を回り、ミヤ、SATOち、YUKKEがゆっくりとステージに姿を現す。すこし遅れて黒い衣装の上に赤い和服を羽織った逹瑯が登場し、深々とおじぎをする。場内の空気が変わったところで「アカ」。イントロが鳴った瞬間、歓声が響きわたる。そのなかを照明で赤一色に染められた場内を重厚なサウンドで飲み込んでいく。

 

続く「絶望」では音源とは比べ物にならないほどの迫力をみせたり、「最終列車」のイントロも多少アレンジが加わったりするなど、過去の曲が並ぶライヴなので懐かしい印象を見せつつもどこか新鮮な印象を見せる。それをさらに確信できたのが、「我、在ルベキ場所」。イントロが流れた瞬間歓声があがったが、それ以上に観客が大きな反応を見せたのが、ステージ後方の大きなディスプレイにPVが同時に流れたこと。過去・現在ムックの共演が見られたところで「メディアの銃声」へと、流れるようにライヴは進んでいく。

 

「ムックでーす。(今日は)まだまだあるよ。行っちゃう?イっちゃうの?」と短めのMCで沸かせるひとこまも。「25時の憂鬱」ではYUKKEがアップライトベースに持ち替え、また違った音色で魅了する。独特な雰囲気をもつこの楽曲で妖しげな空間を作り上げたかと思えば、モッシュで大暴れした「茫然自失」、ダンスフロアに変化させた「梟の揺り篭」、壮大な「雨のオーケストラ」など次々と表情を変化させてくるので、瞬きすら惜しくなるほど。

 

イントロがゆっくり奏でられた瞬間、驚きや動揺、喜びが入り混じっていた「およげ!たいやきくん」。観客みんな、予想外の1曲だったのだろう。とはいえ、瞬時に反応して拳で応える。どの曲もイントロで歓声があがっていたがその中でも特に大きかった曲の1つ「スイミン」で武道館という広さを感じさせないほどの熱狂ぶりをみせ、特にアリーナはスタンディングのライヴのような状況に!

 

「9月3日の刻印」では巨大ディスプレイに歌詞が逹瑯の歌にあわせ1行ずつ現われる。その心に直接刺さるような歌詞を見ながら、感情むき出しで演奏する4人を見ると心を大きく揺さぶられたような感覚を覚えた。本編1曲目と同じように場内を真っ赤に染め上げ、静かに4人がステージを去って本編は終了となった。

 

「謡声」を筆頭にキャッチーな曲が並んだ1回目のアンコール。ステージを所狭しに動き回り、「はっちゃけようぜ!」との言葉に夢烏も全員で応える。ディスプレイに写された彼らの表情はとても明るくて、この日武道館にいた誰よりも4人が今この瞬間を楽しんでいるようだった。

 

ステージを降りた彼らを再び迎えようと響くアンコール。今度は少々様子が違っていて、「ホムラウタ」を連想させるあの手拍子と掛け声がアンコールとなっていて、これにはメンバーも「どこで覚えたの?」と驚いていた様子。久々に登場した「ロバートのテーマ」や「優しい歌」で全員が合唱と、ほんわかとしたアンコールとなった。

 

この豪華なライヴのラストは色んな思いが詰まった曲だ、という「暁」。1つ1つを丁寧に奏で、しっかりと届けてくれた優しいサウンドで武道館を包み、この日は幕を下ろした。

 

始まる前にセットリストを見て確信した「今夜は絶対楽しい」が何倍にもなって返ってきた今日のステージ。そしてムックだから一筋縄ではいかせない、決して再現だけでは終わらせない―――だからリアルタイムでムックを観てきた人もそうでない人も誰もが夢中になるステージを創りあげたライヴに素直に感動した。あの場に居られたことを幸せに思える、特別な夜だった。

 

 

◆セットリスト◆

01.アカ

02.絶望

03.最終列車

04.盲目であるが故の疎外感

05.君に幸あれ

06.我、在ルベキ場所

07.メディアの銃声

08.ママ

09.25時の憂鬱

10.モノクロの景色

11.ココロノナイマチ

12.雨のオーケストラ

13.2.07

14.茫然自失

15.梟の揺り篭

16.路地裏 僕と君へ

17.志恩

18.商業思想狂時代考偲曲

19.およげ!たいやきくん

20.娼婦

21.スイミン

22.9月3日の刻印

 

EN1.謡声

EN2.流星

EN3.フライト

 

EN4.ロバートのテーマ

EN5.夢の街

EN6.優しい歌

 

EN7.暁