ライブレポート

2011.3.31

ナイトメア@STUDIO COAST

NIGHTMARE 東日本大震災支援ライヴ「publish&recover!」

 

 

本来であればあの日、新木場スタジオコーストでは煌びやかなライトと熱気に満ちたいつものナイトメアのライヴが目にできるはずだった。

3月11日、東北と関東を突如襲った大地震。想像をはるかに超える被害を各地にもたらした未曾有の危機 は、メンバーの地元・仙台を含む多くの地域に大きな爪痕を残した。

悲しみと混乱を巻き起こした震災から間もなく、ナイトメアが発表したのはNIGHTMARE 東日本大震災支援ライヴ「publish&recover!」の実施。振替公演をチャリティライヴにするという意思表明だった。

 

3月31日。地震発生から20日が経った新木場スタジオコーストのフロアはオーディエンスで埋め尽くされていた。興奮とざわめきに満ちた場内。その照明はついたまま、スポットライトさえ点いていないステージに、モノトーンの衣装に身を包んだメンバーが姿を現した。歓声で迎えるオーディエンスに、この日、マイクを手にしたYOMIからまず伝えられたのは、被災地への哀悼の意、そして黙祷――。

 

「俺たちの想いと、お前たちの想いが被災地に届くように…」

 

直後に響き渡る「Parade」。久々に耳にするそのドラムに、静かにYOMIの言葉に耳を傾けていた会場内の熱が急激に上がるのを感じた。

この日のために選び抜いたセットリストだったのだろう。ライヴが進むにつれ、メッセージ性の高い歌詞はより深く心に響き、激しい楽曲は悲しみや苦しさを振り払うほどの力でいつも以上の鋭さを見せる。

 

「迷ったけれど、今自分たちができることをやろうという気持ちになりました。必要最低限の機材で今日はライヴをしていきたいと思います」

華々しい数多のライトも、目の覚めるような特効も、豪華なステージセットもない、結成10年というキャリアを持つ彼らの近年にはないシンプルなステージで行われたこの日のライヴ。だが、そんなことをものともせず、客席から向けられる途切れることのない集中力と5人が静かに激しく放つ音が相まって、得も言われぬ高揚感と緊張感とを生み出していた。2階席にいてもダイレクトに伝わってくるほどに会場全体を包み込んだこの一体感に、感銘を受けずにはいられない。

 

そんな中、この日初めて新曲「ByeBye」と「VERMILION.」披露された。エイベックスへの移籍第一弾シングルに収録されるこの2曲は、ナイトメアらしさを存分に感じさせながら、それでいて新たな一面を垣間見せてくれた。美しいギターラインも鮮やかな音の展開も、10周年という節目の年を終え、次なる一歩を踏み出した彼らの門出にふさわしいものであったし、ここから彼らの新たなフィールドでの華やかなる行軍が始まることを思わせる2曲だった。

 

ラストを飾ったStar[K]nightを終え、口々にメンバーを呼ぶオーディエンスの声に応えるように、この日初めて柩が口を開いた。

「これだけ元気ならまだまだ日本は大丈夫だな」

その言葉通り、震災の悲劇はきっと乗り越えられる。

 

彼らの「今できること」を具現化したステージから発信された被災地への強い想い。この日のライヴは彼らが表わし得る、最上の意思表明だったとここに明記したい。

 

◆セットリスト◆

~MC~黙祷~

01.Parade

02.Can you do it?

03.Mr.trash music

04.ジャイアニズム究

05.ネオテニー

06.Criminal baby

07.MASQUERADE

08.ByeBye

09.Cynical Re:actor

10.ジャイアニズム罰

11.NAKED LOVE

12.メビウスの憂鬱

13.惰性ブギ―

14.ジャイアニズム碌

15.Lost in Blue

16.Morpho

【Encore】

01.VERMILION.

02.クロニクル

03.a:FANTASIA

04.ジャイアニズム天

05.Star[K]night