DaizyStripper×Royz

DaizyStripper×Royz

新星V-ROCKバンドがアニメの名曲をカバーするコンピアルバム第2弾が完成! 新たに生まれ変わった新旧の名曲たちの魅力をお届け!

昨年リリースされたアニメコンピレーションアルバム『V-ANIME ROCKS!』。その第2弾として『V-ANIME ROCKS evolution』がリリースされる。誰もがきっとどこかで耳にしたことがある名作アニメの楽曲、全12曲を収録。各バンドの色が加わり、新たに生まれ変わった名曲たちをお楽しみいただきたい。前作からさらにパワーアップしたこのアルバムの魅力を、参加アーティストであるDaizyStripperの夕霧(Vo)、なお(G)、Royzの昴(Vo)、杙凪(G)に語ってもらった。

◆ゆうちゃん(夕霧)の歌はヴィジュアル系が歌ってる感じがしなかった(なお)

――この2バンドは以前から交流があるんですよね。

夕霧:あ、でもどっちかというと、仲悪いですね。

昴:ちょっと、先輩(笑)!

――(笑)。では、今回のカバー曲を選んだ理由から教えてください。

夕霧:僕たちは『北斗の拳』の「愛をとりもどせ!」をカバーしました。曲の知名度がすごく高くて僕らも知っていたし、ヴィジュアル系でこの曲をカバーしているバンドを聞いたことがなかったので。あと、オリジナルを歌っているクリスタルキングさんは二人組なんですけど、一人はすごく声が高いから、僕の声にも合うんじゃないかと。最初、ゲストヴォーカルを入れて二人でやるって意見もあったけど、逆に僕一人の方が面白いかもということになりました。

なお:一人二役でね。さっき、改めて全バンドの曲を聴いたけど、ゆうちゃん(夕霧)の歌はリアルすぎて、ヴィジュアル系が歌ってる感じがしなかった。1曲通してすっと聴けちゃうし。Aメロとかすごいよね。

夕霧:超モノマネしたからね。曲の最後にも「ほわたぁっ!」って入れたし。

昴:僕も聴いてびっくりしました。「これ夕霧さん!?」って。

夕霧:自分で聴いても違う人みたいに聴こえる(笑)。

――今回、声が太いですよね。

夕霧:太ってるイメージで頑張りました(笑)!

――レコーディングはいかがでした?

なお:歌い方で印象って全然変わるじゃないですか。レコーディングのとき、サビのスローな部分は透明な感じで「あ、夕霧だ」って思ったんですけど、Aメロとか、シャウトの「YOU ARE SHOCK!!」を聴いて「今回こんな感じでいくんだ。こいつ今日、マジだな」と思いましたね。

夕霧:いつもマジや。

全員:(笑)

なお:全体を通して、本当に一人二役で、俺もオーディエンスの立場で楽しめました。

――楽器隊はいかがでした?

なお:こういうメタル系も結構好きだし、俺らはいろんなジャンルをやっているから苦手ではないですね。

――メタルですが、結構鍵盤が効いてますよね。これは風弥さん(Dr)が?

夕霧:そうですね。そこは風弥先生がお弾きになられました(笑)。僕は、サビの〈俺との愛を守るため〉の部分が結構大変でしたね。エンジニアさんと、オリジナルの曲を「ここ、しゃくってるね」とか「ここは母音をつなげてるね」とか細かく分析してからブースに入ったんですけど、原曲キーで歌ったら結構きつくて。でも、オリジナルはビブラートも入れたりして、すごく楽に歌ってるんですよ。「クリスタルキング、やるなぁ!」と。

全員:(笑)

――オリジナルは、かなりのびのび歌ってますよね。

夕霧:そうなんです。そののびのび感を出すのが大変でした。…まぁ、ご飯食べたら大丈夫でしたけど。

――夕霧さんのスイッチはそこですか(笑)。前作『V-ANIME ROCKS!』ではDaizyは「創聖のアクエリオン」をカバーしていましたが、あれも原曲キーでしたよね。

昴:すごかったですよね。あれを聴いていたのでこのお話をいただいたとき「やりたい!」って思ったんですよ。

なお:嬉しいなぁ。

夕霧:レコーディング後に初めて頭が痛くなったからね。

昴:音が高くて、のどが焼けそうだったってブログに書いてましたよね。

夕霧:よく見てるねぇ。そっちにびっくりした(笑)。

◆原曲を残しつつ、そこに普段の自分たちを上乗せした感じ(杙凪)

――Royzが『ONE PEACE』の「ヒカリヘ」を選んだ理由は?

昴:最初にこのお話をいただいたとき、コアな曲にするか、知っている人が多い曲にするか悩んだんです。でも、どうせならみんなが知っている曲にしようということになって。「ヒカリヘ」は、“『ONE PEACE』と言えばこの曲!”っていうくらいイメージが強かったし、すごくやってみたかったんです。

――レコーディングはスムーズでしたか?

昴:Royzはこれが初カバー曲なんですけど、「ヒカリヘ」は、ずっと昔から聴いていた曲だし、物語の全体的な世界観がわかっていたから、意外とすんなりできました。

――楽器隊も?

杙凪:楽器隊も結構あっさり終わりましたね。原曲を残しつつ、そこに普段の自分たちを上乗せした感じだったので、めちゃくちゃ苦労したってことはなかったです。

――ド頭はRoyzオリジナルになっていますよね。

昴:そうなんです。あそこは、“「ヒカリヘ」がゴーイングメリー号のラジオから流れている”って設定なんですよ。

なお:え! そうだったの!?

夕霧:細かいな!

――アナログな感じでラジオ感が出ていますね。

昴:はい。そこから、海がバッと広がるっていう細かい背景があるんです。

――カバーの難しさはありましたか?

昴:原曲のファンの人がこれを聴いてどう思うかっていうのがありますからね。その曲がもともと持っている良さを生かしつつ、どうやって自分たちの色をつけていくかが難しいところだなと。僕らも母音のつなげ方をオリジナルと一緒にしたりして、オリジナルを知っている人が聴いても違和感がないようにしました。今回はいかに忠実にできるかでしたね。でも一回ぶっ壊したカバーもやってみたいな。

――ぶっ壊すとしたらどんな風にやりたいですか?

杙凪:超ゴテゴテか超バラードですね。1か10かみたいな。

夕霧:僕らもやるとしたらそのどちらかかな。でも、昔聴いていたhideさんのオムニバスで、原曲にすごく忠実な人と、原曲をぶっ壊している人がいたんですけど、キッズの僕からすると後者は嫌でしたね。「全然違うし!」と思って。

――好きな曲であればあるほどそうかもしれませんね。

昴:確かに、ファン的にはそうですね。それに、誰がカバーしても原曲を超えることはできないのかなって思うんです。いかに別物として捉えるかってことかもしれない。

夕霧:セルフカバーとか出しているアーティストさんも、オリジナルは絶対超えられないと思うんですよ。僕が今まで聴いたどのセルフカバーも、原曲よりいいと思ったことは一度もなかったし、きっとこれからもないと思う。

なお:上手さじゃないかもね。

夕霧:そうそう、絶対みんなオリジナルより上手くなってるから。でも当時の下手さゆえに歌詞が響いたりするんですよ。とはいえ、やる側は技術的に上手くなっているからこそデビュー当時の曲とか録り直したかったりするんですけどね(笑)。