Seth

随所に出てくる大人な雰囲気、ムードのある感じがRuiza君の作る曲の魅力

Ruizaさん曰く、「深層」をSethさんに初めて聴いてもらった時に、特にサビのメロディを「こういうの歌いたかったわ」って、めちゃくちゃ気に入ってくれたとのことで。ひょっとしたらSethさんのルーツに何かしらが引っかかるのかもしれないと話していましたが、いかがでしょう?

Seth:多分、様式美のメタル要素のある、美しい展開の曲が元々好きなんですね。高校生の頃からそういう曲が好きで、やっぱりRuiza君の曲は、そういうのが随所に出てくるじゃないですか。曲の展開とか。あと、多分Ruiza君がメタルキッズだったんだと思います。そういう部分での楽曲の作り方は、僕のストライクの部分ではありますね。でも、たまたま昨日話していたことなんですけど、ただノレる楽曲を作ったから、そういうノリのいいバンドっていうのではなく、バラード然り、随所に出てくる大人な雰囲気、ムードのある感じがRuiza君の作る曲の魅力なんじゃないかなと、僕はものすごく思うんですよね。今までの人生があるから出てくる大人の深みというか、そういう部分が曲に出ているなと感じます。大人ロックな感じ。

Ruizaさんのミニアルバム『Alive』(2025年1月リリース)のレコーディングの中で、Sethさんがこれは特に自分なりのアプローチを試みたなと自負されるのは、どの曲でしょうか?

Seth:基本、全て自由に歌わせてもらっているので、もう僕自身でしかないとは思っているんですけど、今までの自分になかったRuiza君だから出るメロディという部分で、そこに自分をどう出していけば、この曲が光るかとか、考えながらやっていました。ただ、それを考えることなく、没頭して歌ったのは「Swallowed」かもしれないです。とにかく感情をどう膨らませながら、これは王道のバラードだぞってぶつけるような感じで歌うかという。もう本当にSethだからこその、ねっとりと低音域を太い声でとか、ちょっと悲しい感じとか、その全てをぶつける感じで歌ったので、「Swallowed」はものすごく自分という感じがします。歌を前面には伝えたいけど、自分らしさも前面に押し付けつつみたいな感じにしましたね。

ところで、Ruiza BAND正式始動のRuiza Birthday Live「Alive」の一部終演後に、「これを歌うのが自分でよかったなと。もし違う誰かが歌っていたら、嫉妬していたと思う」と話していましたよね。あれが、ステージではなく楽屋で、しかもRuizaさんがいない時の言葉だったので、紛れもない本心だなとグッときて。あれは初ライブをやって、改めて実感したことでもあったのでしょうか?

Seth:そうですね。ただ、初ライブをやって思ったのが、やっぱりバンドって色々な形があるじゃないですか。そこに対してどこまで自分を出せるのか…自分の実力の爆発のさせ方っていうんですかね。それが自分の中でまだ掴めない部分があって、もどかしさと、やっと始動してよかったっていう安堵感と…変な感じでした。出しきれない自分がもどかしかったんです。もっと表現できたはずなのに、もっと歌えたはずなのにって。

一度感じたら多分、離れられなくなると思う

4月のRuiza主催イベント「BURNING SOUL vol.2」の時に、Ruiza BANDの1stライブから2ヵ月、わずか4本目のステージとは思えないバンド感の向上を感じました。ここまでのライブで特に印象に残っていることは?

Seth:うーん、何でしょう。ライブもそうなんですけど、僕的にはリハのスタジオのほうがすごくバンドに近づいたのかなっていう感覚があったんですよね。メンバー個々がライブをこうしたいという意見を少しずつ交わしながらスタジオで進めていくので、その時に、これはもうすごくバンドとしてのグルーヴ感があるなと。特にヴォーカルなので、バンドのサウンドに乗って歌うじゃないですか。そのバンドが、曲をこなしているのか、それともうねりながらバンドサウンドになっているのか、なんとなく感じるわけですよ。そこでうねりが出た時にヴォーカルが乗せられて、いつもとは違うヴォーカルの勢いや感情が乗るような気がするんですけど、それがもうスタジオの時に出来上がっていたような気がするんです。

少し前、リハ後のSethさんが「バンドを始めた二十歳の頃を思い出す」とXに投稿していましたよね。それはゼロから作り上げている新しいバンドだからこそなのかなと。

Seth:バンド活動を始めて以降、今まで壁にぶち当たっても、あまり凹むタイプではなかったんですよね。なぜかというと、今まで僕、あまり物を深く考えるほうではなかったもので。だから、なんとなく多分やりこなしちゃっていた部分が多かったと思うんです。でも、人なので、年月の経過とともに実力がついてくるじゃないですか。そうすると、自分の実力を知るわけです。なんとなく、自分は多分これぐらいの実力だよなっていう。そういう部分で、Ruiza BANDに関しては思いっきり壁にぶち当たったんですよね。特にレコーディングが上手くいけばいくほど、ライブで表現しきれなかった部分が出てきた時の打ちのめされ感みたいな。そういうのがちょっとあって。そこの戦いがものすごく、バンドを始めた頃になかなか上手く表現できないって思っていた部分とリンクしてしまって。それが、あの投稿になりましたね。

そうなんですね。もちろん今、全曲進化していると思うのですが、お客さんのノリを含めたステージ全体の観点で、特にこれは想像以上の進化を遂げているなと現時点で思うものはどの曲でしょう?

Seth:そうなると「魔儀」とかになるのかな。ものすごくお客さんの激しさがあって、メンバーの出す勢いにお客さんが呼応してくれて、今度はメンバーの出す声に対して、お客さんがまたノッてきてくれてっていう、曲が終わるまでにどんどん積み重なっていく勢いと熱量が、その曲には感じられるんですよね。

現在、未音源化曲を含めて、Ruiza BANDのレパートリーは11曲になりましたね。

Seth:新曲が出てきたからですね!

1stライブの時点で「追憶」「黎明」が加わりましたが、その後「BURNING SOUL vol.2」の時に「残響」が、現在開催中の「Ruiza東名阪ONEMEN TOUR[Alive 〜fill in the「  」〜]」初日の大阪公演では、「夢幻」が初披露されました。

Seth:そうですね。Moi dix Moisでは基本シャウトが多いので、慣れていますけど、Ruiza BANDとしては「残響」が初のシャウト曲です。

東名阪ツアー初日は、何やらSethさん覚醒のステージだったようで。

Seth:確かにRuiza BANDの活動を始めてから、多分その日が一番よかったですね。でも、それを考えると、なんとなく一歩ずつ自分自身前には進めているような気がします。色々と壁を乗り越えながら。僕はとにかく歌が上手くなりたいんですよ。そのために今ものすごく努力をしている感じです。

それこそ先日、「信頼出来る仲間が囲ってくれているうちにその高みを目指そうかと挑戦している感じで それって今までは格好悪いと思って言ったりした事がないことなんだけど、言う事によって自分を奮い立たせようと」と投稿していましたよね。

Seth:そうですね。今まで僕はXでの投稿も、「いや、俺天才だから」とか「俺やっぱ歌うめぇな」っていう言葉をよく発していたんです。強がりとかでもなく、これぐらい歌えてれば天才だろみたいな(笑)。だからもうバカだったんですよ(笑)。あと、周りが褒めてくれる人が多いので、このインタビュー冒頭でも言いましたけど、そこにあぐらをかきすぎてしまっていたというか。多分これだけ歌えていれば十分なんだろうなと、思っちゃっていた自分がいるんですよ。それでもよかった気もするんですけど、Ruiza BANDでメンバーと合わせている時に、それでは納得できない、満足できない自分が生まれてきてしまったというんですかね。

でも、今これだけのキャリアになって、それを思えるというのも結構重要なことではないでしょうか。

Seth:嬉しいことではあるんですけど、なかなか悔しい部分でもありますね。

Ruiza BANDとしては東名阪ツアーの後にも続々とライブが決まっていますが、まずは5月31日、池袋EDGEでのツアーファイナルはどんなステージを目指したいですか?

Seth:もう一つ自分の枠を飛び越えるというのは、自分の中で絶対的に目標としてはあるんですけど、今まで少し自分のことに頭を向けすぎていたかなとも思っていますね。要するに、自分が思っているこの壁を越えたいという気持ちがある分、ちょっと自分に対しての目線が強かったような気がするんです。それをもう少し、ファンの子たちとその空間を分かち合って楽しめる時間にしたいなと。なんか今までは毎回、ライブで自分と戦っていたなと思って(笑)。それをもう少しお客さんと遊べる空間にしたいなと思いますね。

Ruiza BANDはいつも皆さんの笑顔があって、既にすごく良い空気感なのが伝わってきています。

Seth:このインタビューを読んでいる人の中にも、まだRuiza BANDを実際に観たことがない人たちがいっぱいいると思うんです。そういう人たちに、とにかく曲が良くて楽しいから、観に来てほしいなと思います。ただ、一度感じたら多分、離れられなくなると思うけど。

ツアーの先、8月9日には青山RizMでSethさんのバースデーライブもありますしね。

Seth:そうですね。ぜひ来てください!

(文・金多賀歩美)

Seth

オフィシャルサイト

ライブ情報

●Ruiza東名阪ONEMEN TOUR[Alive 〜fill in the「  」〜]
5月31日(土)池袋EDGE

●Moi dix Mois ~生誕典礼祭 Mana様Birthday Tour 2025~
6月14日(土)仙台ROCKATERIA
6月15日(日)仙台ROCKATERIA
7月5日(土)札幌 KLUB COUNTER ACTION
7月6日(日)札幌 KLUB COUNTER ACTION
9月20日(土)広島 SIX ONE Live STAR
9月21日(日)広島 SIX ONE Live STAR

●Ruiza主催イベントTour「BURNING SOUL vol.3〜10」
8月19日(火)仙台ROCKATERIA
8月21日(木)札幌Crazy Monkey
9月5日(金)HOLIDAY NEXT NAGOYA
9月14日(日)浦和NARCISS
10月5日(日)博多DRUM SON
10月6日(月)広島SECOND CRUTCH
10月7日(火)心斎橋FANJ-twice
10月25日(土)渋谷REX

●Ruiza ONEMAN LIVE「Genesis of the world」
東京〜玄色の刻〜
8月9日(土)青山RizM

札幌〜濃藍の刻〜
8月22日(金)札幌Crazy Monkey

神戸〜白銀の刻〜
11月2日(日)神戸live music club PADOMA

●SHAZNA Presents「歌姫降臨 ~Beautiful Halloween Party Ⅱ~ 90’s SP」DAY 2
10月19日(日)赤羽 ReNY alpha
※Moi dix Moisで出演

●「Crazy Monsters Halloween Party 2025」DAY 2
10月26日(日)新宿ReNY
※Moi dix Moisで出演

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●Salon de thé & BAR『ベジねこ』のパン屋さん
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